ピル
アフターピル
避妊をしないでセックスをした場合、事後的に妊娠を避ける方法として「アフターピル」があります。コンドームが正しく装着されていなかった、避妊できたか不安、といったケースで行われます。同ピルは黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を主成分とした薬剤です。服用することによって子宮内膜の増殖が抑制され、受精卵が着床しにくい状態になります。但し、無防備なセックスが行われた後、72時間以内に、しかもできるだけ速やかに所要量のピルを服用しなければなりません。そうしないと受精卵が子宮内膜に着床してしまい、妊娠が成立することになります。
なお、アフターピルは妊娠を防止する効果はありますが、100%というわけにはいきません。正しく服用した場合でも、妊娠阻止率は85%程度とされています(72時間以内に服用した場合)。すなわち、低用量ピルを避妊目的で継続的に使用している女性よりも妊娠する確率はかなり高くなってしまうのです。したがって、この方法は低用量ピルの代用とはなりえないものと、ご理解ください。
低用量ピル
低用量ピルの避妊効果はほぼ100%です。避妊だけでなく、月経困難症、過多月経、子宮内膜症、不規則な月経周期などにも効果があります。さらに卵巣がんや子宮体がん、大腸がんのリスクを減少させる作用も期待されています。将来の妊娠に悪影響を及ぼすこともありません。よく耳にする体重増加の懸念も不要です。
ただ、副作用や注意点が無いわけではありません(下表)。血栓症のリスクなどが指摘されているので、当院では服用禁忌に触れないかどうかをよく考慮しながら、慎重に処方いたします。
低用量ピルを服用できないケース
- 乳がん・子宮内膜がん・子宮頸がんの方
- 肺塞栓症や脳血管障害、虚血性心疾患の方
- 1日15本以上のタバコを吸う方(35歳以上)
- 糖尿病性腎症、糖尿病網膜症の方
- 重篤な肝障害のある方
- 脂質代謝異常の方
- 高血圧の方(軽度の高血圧は除きます)
- 妊娠している可能性のある方
など
- 上記の疾患以外にも禁忌となる疾患はあります。また、上記の疾患であってもピルを服用できるケースがあります。
詳しくは担当医にご確認ください。